NY、経済活動再開で家賃相場が30%増の地域も! シビアな世界の不動産事情
新型コロナウイルス感染症拡大で、2020年以降大打撃を受けたアメリカ・ニューヨーク。一時はロックダウンで街から人が消え去り、さらにはリモートワーク/テレワークなどの新たな働き方の浸透によって、多くの市民が市外や州外へ転出した。それに伴って、市内の不動産価格や家賃が下落。あれから2年。コロナ禍3年目となった今、感染状況は一進一退だが、不動産価格や家賃相場は再び上昇傾向になっている。そこには全世界から人が集まる大都市ならではの「ある理由」があった。
NYと日本、いま「住みたい街」とは?
アメリカの大都市ニューヨークでは、東京や大阪などと同様に、街によってそこを選ぶ人の世代やライフスタイルが異なる。収入が十分でない若年層が注目するのは、マンハッタンの外れの地域や、川を越えたクイーンズだ。タウンハウスという一軒家を借りて何人かでシェアしていることもある。子育てをしているファミリー層はマンハッタンから電車で1時間ほどの郊外にある、広い庭付きの一軒家が好まれる傾向がある。富裕層はマンハッタンのパークアベニューやアップタウン、トライベッカなどに好んで住む傾向だ。個性を求めているアーティストには、クリエイティブで独自の文化があるマンハッタンのダウンタウンや、広いロフトが多いブルックリンなどが人気だ。 ちなみに日本では、今コロナ禍による影響も大きな要因となって、都心よりも郊外の人気がやや上昇している。在宅時間が長くなり、人々が利便性に優れた都心だけでなく郊外の住環境などにも目を向けた結果だろう。 今年発表された「SUUMO住みたい街(駅)ランキング2022」でも、横浜駅や吉祥寺駅、恵比寿駅の人気は相変わらずだが、上位に埼玉県の大宮市や浦和市など、郊外の都市がランクインしたのが特徴的だった。 ニューヨークも同様、観光客が多いマンハッタンの繁華街ではなく、中心部から少し離れた場所や郊外などが「住みたい街」として注目されている。 2年前、この街は新型コロナウイルスの感染拡大によって大打撃を受け、経済が壊滅状態となった。感染を避けるため、またはリモートワーク/テレワークの浸透によって、多くの市民が市外や州外へと続々と転出したことが地元メディアでも報じられた。それによって、不動産価格や地価、家賃の下落が起きたのだ。不動産の調査をする「ストリート・イージー」によると、2021年1月~3月期のマンハッタンの月の家賃の中央値はコロナ騒動が勃発した時期の前年同期比17%減の2700ドル(当時の為替で約29万円)だった。これは集計を開始した10年以来で最低の数値だった。
【参照】Yahoo News Japan